業務のマニュアル

業務のマニュアル

2015年01月29日(木)2:18 PM

本日の質問


経費や窓口金の預金振込、会計ソフトによる帳簿作成、給与計算などの経理業務を誰でもできるようにマニュアル化しようと思います。マニュアル作成のポイントを教えてください(30代 院長夫人)

 

本日の回答/税理士 吉田正一


● マニュアル作成の前に 3S(エス)の徹底から

3Sとは、職場内の整理、整頓、清掃のことを言います。
整理とは、職場内の不要なものを捨てること
整頓とは、所定の場所に必要なものがあること
清掃とは、職場内の掃除をすることを意味します


マニュアル作成の前に職員の3S意識が徹底されていないと とファイルが増え、ムダなマニュアル、文書が増える傾向があります。マニュアルを作成する前に 全ての職員に Sの意味、具体的な方法を説明する必要があります。


● 3Sは 整理、整頓、清掃の順で実行していくことが有効です。

 

整理とは 不要なものを捨てることです。

 

整理を徹底する例
・請求書、領収書、重要書類は 年度別にファイリングして、事業年度終了後に年度別にダンボールで保管する
・年度別に保管した書類ダンボールは 7年保管後に 廃棄する
・本、社内文書、パソコン上のファイル、設備、医薬品、消耗品など廃棄基準を文書化する


整頓とはものの置き場所を決めて、常に決められた置き場所に置くことです。

整頓を徹底する例
・本棚、薬品棚、廊下に置くものを記載したシールを貼る
・倉庫棚の棚割り表を作成する


清掃とは職場内を清掃することです。 

清掃を徹底する例
・労働時間内に清掃時間を設ける
・設備、トイレ、窓口にチェックリストを備え置き、担当者が毎日チェックする

 

● 3Sは長続きさせるのが最も難しい

 

3Sを長続きさせる工夫の例
・院内ポスターにビフォーアフターの写真を貼り付ける
・ホームページに3S活動を公開する
・3Sが徹底された他院を見学する
・定期的に清掃業者に委託する
・監事、患者の会などに定期的にチェックしてもらう

 

業務マニュアル作成のポイント
・日常業務についてマニュアル化する
・患者サービスに近い業務ほど重要性が高いので基本業務をマニュアル化する
・業務の流れ図を作成して 全体像を見れるようにする
・個々の業務を文書化、図式化して、写真、動画を添付する


業務の流れ図を作成する目的
・業務の流れ図により 自分の担当業務の前後の業務を知る事ができる
 (業務の全体像、業務の意味を知る事ができる)
・不要な業務、時間のかかる業務、改善ポイントが見えてくる
・業務の流れと 医療サービス、お金、伝票の流れを同時に見ることが出来る


 マニュアル作成のポイント
マニュアルとは、業務の手順書です。
マニュアルにはその業務の内容(何を、何時間かけて どうするか)を書きます。

初心者でも マニュアルを見ながら 一定水準の業務を実行できるようにするには
・専門用語集をマニュアルに添付する
・初心者で起きやすいミス、成功するためのコツを付記する
・写真、図を増やす


● 日常業務のマニュアルの整理方法
毎日の業務→毎週の業務→毎月の業務→毎年の業務の順で マニュアルを作成して
整理する


経理業務マニュアルとして最初に組み立てることが多いのは出納業務マニュアルです。

出納業務の例
・窓口金を収入してから 預金へ預入れするまでの業務
・小口経費を支払、預金から補充するまでの業務
・送付されてきた請求書をチェックして 支払う業務
・保険診療について、請求資料から入金をチェックする業務
・給与計算について、職員に支払う業務

 

出納業務マニュアルを作成するに際して
・まずは お金の流れに合わせて 出納業務を文書にすることから
 行います

・マニュアルが形骸化しないように出納業務をいつまでに誰が
 何をやるか お金の流れを固定化したら 
 例外対応は 許さない方がいいです(院長であっても)  
 
 →例外対応の多い業務は マニュアルにすべきではありません。

出納業務マニュアルの工夫例 
・現金は 窓口金と小口経費用を区別してマニュアル化する
・現金残高を毎日チェックする業務をマニュアルに入れる
・支払用の預金は ネットバンクを前提にマニュアル化する
・手形、小切手は 扱わない
・業務のコツ、専門用語の説明をマニュアルに入れる

 

出納業務以外の業務でも マニュアル作成が有効な業務
・給与計算
・会計データ入力
・窓口未収金の管理、回収
・医薬品在庫の管理など


どの業務マニュアルもいつまで誰が何をするかについて
実際行っている業務を文書化することが ニュアル作成のスタートです。

 

会計データ入力マニュアルのポイント
・勘定科目ごとの内容を明確にする
・会社独自の勘定科目は設けない(中小会計要領等を参考に勘定科目を設定する)
・重要性の低い勘定科目は他の勘定科目と統合して勘定科目を増やさない
・1つの勘定科目の中で重要な内容のものは補助コードを設定する


窓口未収金の管理、回収マニュアルのポイント
・窓口金未納者の初期対応を重点的に マニュアル化する
・大口の窓口金未納者に対する法的対応までの流れを決める
・初診アンケート段階で 患者情報を収集して 患者の与信情報を管理する
・薬、処方箋と窓口金の引渡し徹底、コンビニATM、クレジットカード決済など
 窓口体制の強化とマニュアルをリンクさせる


医薬品在庫管理マニュアルのポイント
・入庫時の検品、伝票(または台帳)の作成から 在庫の積み方、置き場所
 について 文書化する
・出庫時の伝票(または台帳)の作成について 文書化する
・使用場所近くの一時置きの医薬品は 毎日 薬品棚に戻すよう徹底する
・不良品を定義化して 不良品の廃棄方法、廃棄時期を文書化する



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