病院・クリニックが年俸制を導入する際の注意点

病院・クリニックが年俸制を導入する際の注意点

2015年01月09日(金)1:44 PM

【本日の質問】

当院では業績重視の賃金制度にするため、職員全員の給与を年俸制にしたいと考えている。

その場合、給与は各人の成果に応じて決定した年俸額一本とするので、毎月の残業代は払わないつもりだが問題ないか。

 

【本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹】

年俸制の導入と残業代の支払い義務との間に直接の関連性はありません。

このため、年俸制が適用される職員に対しても、時間外労働が発生すれば時間外手当は支払わなければなりません。

 

【本日のポイント】

クリニックの院長先生から「年俸制にすれば残業代は払わなくてもよいのか」というご質問を受けることがありますが、実は年俸制の導入と残業代の支払い義務と間に直接の関連性はありません。

 

このため、所定労働時間みなしと決められた事業場外労働や裁量労働が適用されている職員か、労働時間規制が除外された管理監督者である職員であれば、あらかじめ定めた年俸額の支払いのみでも足りますが、

 

これらに該当しない職員については年俸制が適用された場合でも、毎月の時間外労働時間数を算定し、その時間数に応じた時間外手当を支払う必要があります。

 

時間外手当の支払いが必要な職員に対して、今回の設問のように賃金支払いを年俸額一本にしたい場合、年俸額の中に一定の時間外手当が含まれていることを明確しなければなりません。

 

但し、時間外手当込の年俸制とした場合であっても、年俸額に含めた時間外手当に相当する時間外労働時間数を超える時間外労働を行った場合には、その超過分の時間外手当を別途支払う必要があるのでご注意下さい。



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