クリニックで所定時間外に実施する研修時間の取扱い

クリニックで所定時間外に実施する研修時間の取扱い

2015年01月21日(水)11:03 AM

本日の質問

 

当院では週に1回昼休み中に、職員の意識改革やモラール向上のための院内研修を行っている。参加は強制ではない。
ところが、毎週参加している職員の一部から、この研修は仕事の一部のようなものだから時間外手当を支払ってほしいと要求された。当院としては、業務外として捉えているので賃金を支払うつもりはないが、問題ないか。

 

本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹

 

所定労働時間外に職員の自由参加で行われる研修は、労働時間には該当しないため、時間外手当を支払う必要はありません。

 

本日のポイント

 

昼休み中や勤務時間終了後に職員研修を実施することがよくあります。
内容は今回のケースのように自己啓発であったり、知識・スキルの向上を目的としたものや医薬品メーカーの製品説明会などが行われることもあるでしょう。

 

このような研修が労働時間に当たるか否かについて、厚生労働省の通達では労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱による出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない」としています。(昭26.1.20基収2875号、平11.3.31基発168号)

 

従って、今回のケースのように職員に出席を義務付けていない研修であれば労働時間には当たりません。

 

但し、欠席すると就業規則上の罰則が科せられるとか、昇給や賞与の査定に影響するといったような不利益が発生する場合には、表向きには自由参加としていても、黙示の指示により事実上参加を強制されたと判断される可能性があるためご注意下さい。

 

また、業務内容に直接ないしはに密接に関連する研修についても、完全な自由参加のものでなければ労働時間に当たると判断されます。(「八尾自動車興産事件」大阪地裁昭58.2.14判決)

 

このため、例えば新たに導入した電子カルテの使用方法に関する研修会などは、その時間が昼休み中であったとしても、業務関連研修として労働時間と判断される可能性が高いでしょう。



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