クリニックの中断患者対策のポイント

クリニックの中断患者対策のポイント

2015年01月27日(火)2:29 PM

本日の質問

歯科医院を経営しています。

立地のいい場所で開業しているので、初診患者(レセコン登録患者)は増えているのですが、それ以上に治療途中で中断する患者も多い気がします。

何か問題があるのでしょうか?

 

本日の回答/税理士 吉田正一


次の流れで問題の原因を仮説して、改善策を実行、検証する方法が遠回りに見えて最も効率がいいと思います。

1)患者層分析
2)アンケート
3)小集団活動、ワークアウトなど 改善提案活動

 

1)患者層分析について

患者層分析の目的は
・自院の患者モデルに変化が出たときにいち早く知ること
・自院の患者モデルの変化の原因を仮説検証すること


仮説例
・若い世代の患者層が増えているため 中断患者が増えている
・高齢者の患者層が多く占めているが 施設等への引越、死亡が増えている
・担当医の方針で 受診回数が多く、治療途中での中断が増えている
・近隣競合へ変更している(ドクターショッピング)

 

患者層分析に使う元データ
・レセコンデータ
・予約ノート


月ごとに 次のデータを集計することも 仮説の幅が広がる
・天候(晴れ・曇り OR 雨)
・診療日数(休診日数)
・患者の男女数
・患者の年代別の数(10才未満、10代、20代、30代・・・)
・患者の仕事(学生、自営、主婦・・・)


患者に関する情報は
・窓口担当者、担当医が 日常会話から収集する
・初診アンケート項目に入れる

 

毎月のレセコンデータの追跡対象
・レセプト枚数(実人数)、延べ人数
・診療点数、診療日数
・レセプト単価(1人あたり診療収入)
・1日あたり診療収入、1日あたり患者数、1日あたり診療点数
・診療行為別点数


毎月の予約ノートの追跡対象
・時間帯別予約数
・キャンセル率、時間帯別キャンセル率

 

2)アンケートについて

 

患者の不満足を知る方法として 次の方法があります
1. 定期的な患者アンケート
2. 患者モニター、患者グループミーティング
3. 患者インタビュー
4. 覆面調査


中でも 患者アンケートの目的、効果は 次の通りです
・既存患者のマイナスのクチコミ(=悪い評判)を抑える
・既存患者の不満足度を改善して 再受診率を上げる
・既存患者の新たな不満足点が生じていないか知る

 

患者アンケートの流れ


1.既存患者をグルーピングする
2.アンケート対象、予算を決める
3.アンケート結果を仮説する
4.アンケートを実施する
5.アンケート結果を評価する
6.改善策を検討する
7.定期的にアンケートを実施して、改善効果を検証する

 

1.既存患者のグルーピング例
・直近1年で受診回数の多い患者層(上位20%程度)
・医院近くの住所の患者層
・専業主婦
・子供のいる患者層
・自由診療患者で金額の大きい患者層(上位20%程度)
・担当医を指定する患者層
・誕生月が同じ患者層

 

アンケート項目の決め方
・過去にクレーム・苦情があった項目
・窓口担当者と患者の日常会話で よく出る不平・要望
(冗談半分でも 窓口には 患者の本音が出やすい) 
・電話で問い合わせがあった項目


アンケート項目(不満足になりやすい項目)の例
・医師等の説明に対する理解度・態度・聞く姿勢
・窓口担当者等の手際の良さ・態度・電話対応
・待合室の雰囲気、待ち時間の長さ、当院のイメージ
・医院設備の古さ、外観の落ち着き、入り口の入りやすさ
・窓口の陳列物の多さ、院内報・院内資料の充実度
・転院理由(その他 空欄付き)


アンケート結果の目付けのポイント
・最も不満足が多い項目は何か
・不満足と満足の両方が多い項目は何か
・不満足が多く、改善行動を取りやすい項目は何か
・不満足の改善に 最も時間がかかる項目は何か
→次回のアンケートで改善確認すべき項目の抽出


アンケート結果を活かした改善行動の流れ
1. 院長が 不満足項目から 改善テーマを絞る
2. 小集団グループを組織して 改善テーマの達成のため
  改善案(予算・効果)を 院長に提示する
3. 院長が 改善案の採用・不採用を即決する
4. 採用された小集団グループが 改善行動を 指導・実践 
5. 改善行動が定着したら 成功宣言をして終了
6. 次の改善テーマへ

 

患者アンケート以外に患者の中断理由を知る方法を整理していきます。


患者の中断理由を知る上で重要なデータ
・治療途中で来なくなった中断患者の数
・予約キャンセル数


患者の中断理由を調べる方法
・担当医へのヒアリング
・患者アンケート
・サクラ患者による自院調査


患者の中断理由が 医院・担当医側にある場合の改善策
・治療計画書、患者説明資料の交付
・休診日の連絡先の開示(オンコール体制)
・完全予約制と予約数の削減
・窓口、診療室のビデオ観察
・優秀職員(窓口業務・診察)のビデオ分析と勉強会の実施
・セカンドオピニオンの積極告知
・中断患者数に応じた賞与査定
・改善策のホームページ公開

医師には言えないが、窓口には 小言を言える患者は多い。
治療途中で他の医院へ変えるときに 何も言わない患者(物言わぬクレーム)が ほとんどだが、小さいクレームを 窓口に言っているケースもある。


窓口が収集した情報(患者の生の声)が 医師に伝える仕組みになっているかも中断患者対策の1つである。


窓口が収集した情報を医師に伝える方法
・窓口用の患者台帳記入
・カルテ備考記入(ふせん添付)
・メール報告など  
 

患者の中断理由は 患者の勘違い、患者の気まぐれが多い。患者の勘違いを避けることも中断患者対策の1つである。
→勘違い・誤解を受けやすい項目を抽出する



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