クリニックの疑問解決!能力不足により生じた残業代の支払い義務
2014年12月22日(月)12:23 AM
本日の質問
当院には勤続期間と月例給与額が同じ2人の職員がいるが、一人は仕事が早く正確で、滅多に残業をすることなく定時に帰っている。
もう一人は仕事が遅くミスも多いため、仕事が終わるまで毎日のように残業させている。
結果的に仕事の遅い職員に対し多くの給与を支払うことなり納得できない。残業は本人の仕事の遅さのせいであり、このような残業には残業代を支払いたくないが、問題ないか。
本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹
残業の原因が本人の能力不足や仕事の遅さを理由とするものであっても、時間外手当は支払う必要があります。
本日のポイント
本件問題のようなケースがクリニックの職場であった場合、時間外手当を支払いたくないという経営側の心理はよく理解できるのですが、もし本当に支払わなかったら残業代のカットとなり法律に違反してしまいます。
このため、まずは仕事の遅い職員に対し、業務効率が改善されるよう根気よく指導することが大切になります。
そのうえで、現在の両者間の給与額のアンバランスを是正するには、職員の勤務評価を適切に行って、仕事ができる職員には昇給や賞与で報いてあげた方がよいでしょう。
また、仕事の遅い職員の業務に改善が見られない場合は、出来る限り残業が発生しなくても済むよう、任せる業務のレベルや量を見直しを図らざるを得ません。