生命保険を活用した節税対策のポイント

生命保険を活用した節税対策のポイント

2015年01月30日(金)10:39 AM

本日の質問

生命保険を活用した節税対策のポイントについて詳しく教えてください。

 

本日の回答/生命保険協会認定FP 相続診断士 友部守

医療法人の節税対策としてよく活用されるのが、生命保険です。


理事長や従業員を被保険者、医療法人を契約者として、医療法人で加入する生命保険です。


上手に活用すれば、理事長の身に万一の事態が起こった時のリスクヘッジ、簿外への資金プール、節税効果という一石三鳥のメリットがあります。
 

本日のポイント

節税対策のために生命保険に加入する場合、注意するポイントがいくつかあります。


1つ目は、出口対策です。

 

生命保険を使った節税というのは、永久的な節税ではありません。

最終的には、解約時等に利益が計上されることになりますので、そのときに課税されてしまいます。つまり、実際のところ『節税』というより、『課税の繰り延べ』と言ったほうが正しいのです。

そこで、その出口に解約益等を相殺できる“何か”を用意しておかなければいけません。代表的な出口対策は「役員退職金」です。この“何か”を考えるのが出口対策です。タイミングよく、経費となるものがあれば良いのです。たとえば、設備の入替や待合室のリフォームなどです。クリニックの事業計画、先生のライフスタイルに合わせて、生命保険の加入を考えることが重要となります。

 

2つ目は、分散加入です。


同じ金額の保険料であっても、1本の生命保険に加入するのと、複数の生命保険に加入するのでは、後の使い勝手が違います。保険金額や被保険者などを分散して、複数の契約に加入しておけば、一部の契約は残し、一部の契約は解約するなど出口対策においても手持ちのカードが増え、状況に応じた機動的な対応ができます。

 

3つ目は、保険商品の「複数比較」です。


同じ生命保険に加入する場合でも、複数の保険会社で比較してみると、その条件に違いが出ることがあります。保険会社でもそれぞれ得意分野、力を入れている分野などが違うためです。検討する際には、複数の商品を比較してみるのがベターです。

 

4つ目は「解約リスク」です。


節税対策で生命保険を活用する場合、ある程度の期間、保険料を継続して支払うことになります。そのとき、万一どうしても保険を継続できない事態になった場合、早期の解約では解約損が出る場合があります。そのため、できるだけ解約返戻率が短期でピークになる商品を重視するのがセオリーです。

 

5つ目は「資金繰り」です。


実は生命保険を使った節税は、お金のかかる節税になります。なぜなら、節税で減らせる税金よりも、支払う保険料の方が多いため、度を過ぎた節税は、会社の資金繰りに影響を与えます。いわゆる、本末転倒な保険加入となってしまうのです。そうなると、保険契約の継続自体が危ぶまれます。もし、早期で解約すると大きな損をする事態にもなりかねません。あくまでも、会社の資金繰りに悪影響を与えないよう、適切な保険契約をしましょう。

 



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