交通費の精算
2015年01月30日(金)12:44 PM
本日の質問
当院の規定では、取引先への往復に要する交通費の精算は、公共交通機関の最寄駅までの運賃を支給するとしている。ところが、ある職員が実際には徒歩で往復したにも関わらず、交通費を請求していたことが分かった。この場合、交通費を不支給として問題ないか。
本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹
業務費としての交通費は、労働基準法で規定する賃金には該当しないため、実費精算に基づいて不支給として問題ありません。
本日のポイント
●使用者の業務命令に基づいて、職員が取引先や研修会場等へ移動する際に要する交通費は、当然使用者が負担すべきものであり、いわゆる業務費としての性格をもっています。
●これは通常、実費弁償でよいと扱われ、労働基準法上の賃金に該当しないと考えられています。
●今回のケースにおける交通費も業務費として扱われるものですので、当然ながら使用者負担とはなりますが、これはあくまでも実費弁済が基本です。
●たとえ、医院の規定で「公共交通機関の最寄駅までの運賃を支給する」としていても、労働基準法の制約(第24条の賃金全額払い等)を受けることはないので、実際には一切公共交通機関を使用していないということでしたら
、この職員に交通費を支払う義務はないでしょう。
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