当直=残業時間?病院・クリニックにおける当直時間の考え方

当直=残業時間?病院・クリニックにおける当直時間の考え方

2015年01月23日(金)11:13 AM

本日の質問

当直は労働時間ではないので、時間外手当・深夜手当を支払わなくてもよろしいのでしょうか。

 

本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹

 

●通常、病医院において職員が行う当直(労働基準法でいう宿直)は労働時間とはみなされませんので、1週40時間と定められた法定労働時間の枠とは別に勤務させることが可能です。

 

●当直が、法定労働時間の規制から外されているのは、電話対応や病室の巡視などが中心で、常態としてほとんど労働する必要のない勤務として、あらかじめ労働基準監督署の許可を得た場合に限り行わせることができるものだからです。

 

●このため、適法な当直であれば、時間外手当・深夜手当を支払う必要はありません。

 

●労働基準監督署による当直の許可基準は以下の通達に示されています。

 

【宿日直の許可基準】平14.3.19基発319007号

 

1)勤務の態様
 常態としてほとんど労働する必要のない勤務であり、病室の定時巡回、少数の要注意患者の検脈・検温等、特殊な措置を 要しない軽度かつ短時間な業務に限ること。

 救急医療等が稀にあったとしても睡眠が十分に確保されるのであれば認められる。但し、救急医療を行った時間は、労基法第37条の割増賃金の支払いを要する。

 

2)睡眠時間の確保
 相当の睡眠設備を設置し、夜間に十分な睡眠時間を確保しなければならないこと。

 

3)宿日直の回数
 宿直は勤務は週1回、日直勤務は月1回が限度。

 

4)当直手当
 職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の1人1日平均額の3分の1を下回らないこと。

 

●上記基準はあくまでも勤務実態により判断されます。
当直勤務時の賃金については、当直手当として一律で1回当たり◎円として支払っている病医院が多いと思われますが、今後も当直扱いを続けるのであれば、改めて勤務実態を検証し、許可基準を逸脱していないかチェックすることが重要です。

 

●許可基準を逸脱していると、多額の時間外手当・深夜手当に関する未払い賃金が発生するリスクがありますのでご注意下さい。



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