SNSへの書き込みに対する懲戒解雇
本日の質問
当院に勤務する職員が、自分のブログで残業時間や賃金の支払いに関して事実に反する内容を掲載し、院長の悪口を書いていたのが発覚した。
このような場合は、この職員を解雇しても問題ないか。
本日の回答/ 社会保険労務士 長友秀樹
ブログに掲載した内容にもよりますが、事実に反する内容に基づいて、誹謗中傷を行っているのであれば、懲戒解雇が認められる可能性があります。
本日のポイント
●昨今、フェイスブックやツイッターといったSNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)やブログ、ラインを利用する人が増えています。
SNS等の利用は、個人でプライベートな情報を発信している限りでは問題がないのですが、しばしば勤務先にも関連する話題が書き込まれるケースが起こります。
●書き込まれた内容が病医院にとって特に当たり障りのないものであればよいのですが、職員が故意に悪意をもって、または故意や悪意はないけども病医院の信用を失墜させるものであれば問題です。
●特に、病医院批判、院長や上司・同僚批判、職員の個人情報、患者情報、病医院の内部事情や噂等を安易に書き込まれ、これがオープンに不特定多数に閲覧されてしまうと、病医院の信用失墜、風評被害、場合によっては法的責任を問われる事態に発展することもあり得ます。
●このため、非違行為の程度によって減給や降格・降職、出勤停止などの懲戒処分の対象となり得ますし、最悪の場合は解雇も認められると考えられます。
●また、SNS等への書き込みによって、病医院、院長の信用・名誉が棄損されたことに基づき、当該職員への損害賠償請求を行うことも考えられます。
●とはいえ、このような事態は未然に防ぐことが大切です。そのためには日頃からカンファレンスなどで職員に注意喚起するとともに、就業規則の服務規律にも規定することで意識の徹底を図り、万が一問題が発生した場合には、職員本人の責任が問われることを明確にしておきましょう。