医療法人になるための手続のタイミング

医療法人になるための手続のタイミング

2015年01月29日(木)11:33 AM

本日の質問

できるだけ急いで医療法人を設立したいと思っています。株式会社等一般的な法人のようにその気になればいつでも手続できるのでしょうか。それとも何か特別な時期的条件があるのでしょうか。

本日の回答/行政書士 天川大輔

■医療法人と普通の会社(一般営利社団法人)はやはり違う

普通の株式会社は、一定の手続を踏んで法務局に設立登記の申請をすれば、いつでも設立申請の手続をすることができますし、基本的には1週間ほどで設立させることができます。
一方で医療法人は、株式会社と同じ法人ではありますが、国民の健康保持に寄与する存在であると共に、地域医療の安定的供給という政策的要素もありますので、同じ手続で、、、というわけにはやはりいきません。

 

では何が違うのかというと、医療法人の設立は普通の会社を設立する場合と異なり、「認可」制がとられているのが大きな相違点です。

 

■「認可」とは?

「許可」や「届出」はよく聞くので何となくイメージがつくけど「認可」は今一つピンと来ない、という方が多いと思います。
あまり教科書的なお話はしたくないのですが、簡単に言ってしまえば、以下のような関係になります。

 

*許可…行政上一般的に禁止されている行為を適法に行えるようにすること
*届出…単に特定の事項を予め行政に対して通知すること
*認可…一定要件を満たすことを前提にその行為を行政的に完成させること

 

 

要は「認可」は、「許可」と「届出」の中間的な存在です。医療提供機関の設立自体は行政上一般的に禁止されているわけではありませんが、一般的な会社のように、誰でもすぐに書類さえ出せば作れるというものでもありません。
医療法人の場合は経営主体的にも地域的にも影響が大きいので、行政機関が設立を認めても問題ないのか審査し、問題なしと判断した場合に認可という形で医療法人の設立行為を完成させる(認める)ことになります。

 


■いつでも認可はしてもらえるのか?

許可だ認可だとお話ししましたが、行政機関の審査を受ける必要があることには変わりがありません。そして前述のように、医療提供施設、特に医療法人の場合は政策的要素が強いため、行政側としても慎重に審査をする必要があります。

 

そこで、自治体にもよりますが、医療法人の設立認可申請は、一般的には年二回の特定の期間にしか申請できないことになっています。しかもその期間も1週間前後ととても短いことが多いです。よって、医療法人の設立を目指す場合は、認可申請手続ができるタイミング、スケジュールに注意する必要があります。

 

■医療法人はいつでも設立できるわけではない

医療法人は、その設立する地域にとっても、設立するお医者様にとってもインパクトのある行為ですので、行政による審査が入ります。

具体的には各都道府県の医療法人課等で書類のチェックがされ、医療審議会へ諮問にかけられます。つまり、医療法人として設立が認められる(認可される)ためには審議会が開かれる必要があるため、いつでも申請、というわけにはいきません。

そこで、自治体にもよりますが、医療法人の設立認可申請は、一般的には年二回の特定の期間にしか申請できないことになっています。例えば東京都の平成25年度の場合は以下のとおりです。

【第1回】
仮受付期間:平成25年9月2日~平成25年9月6日
審議会開催:平成26年1月末
認可書交付:平成26年2月中旬~下旬
【第2回】
仮受付期間:平成26年3月3日~平成26年3月7日
審議会開催:平成26年7月末
認可書交付:平成26年8月中旬~下旬

 

気を付けないといけないのは以下の3点です。
(1)年に2回しか申請のチャンスがないこと
(2)受付期間が5営業日しかないこと
(3)認可が下りるまで受付から半年もかかること

 

よって、医療法人の設立を目指す場合は、半年以上前から周到に準備する必要があります。

 

■認可さえとってしまえば医療法人としてスタートできる?

よくある誤解が、都道府県から認可さえ下りてしまえば、医療法人として正式にスタートできますよね、というものです。

あくまで医療法人は、診療所や病院を運営するためのハコ、主体に過ぎません。つまり、「個人医師AさんがC診療所を経営していた」のが、「医療法人BがC診療所を経営する」ことになる、という関係になるだけです。よって、この場合ですと、医療法人Bが改めてC診療所の開設許可申請や、保険医療機関指定の手続を、保健所や厚生局で行う必要があるのです(同じC診
療所であったとしても、A医師≠B医療法人であるため、A医師から医療法人Bに引き継がれるわけではないのです)。

 

よって、本当の意味で医療法人として業務をスタートさせるためには、認可後の手続のことも考慮に入れてスケジュールを組む必要があります。



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