兼業・副業禁止規定の有効性

兼業・副業禁止規定の有効性

2015年01月29日(木)2:44 PM

本日の質問

女性職員が当院で日勤をした後、深夜まで飲食店で接客のアルバイトをしていることが分かった。当院では就業規則で兼業を禁止しており、違反した場合は懲戒解雇ができる規定になっている。この職員を懲戒解雇しようと思うが、問題ないか。

 

本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹

就業時間外のアルバイトの影響で、翌日勤務に明らかな支障が生じていたり、病医院の信用を著しく害する恐れがある場合には、解雇が有効に認められると考えられます。

本日のポイント

●今回の問題のように、就業規則で兼業や副業を禁止している病医院は多いですが、職員が就業時間後のプライベートな時間をどのように使うかは、本人の自由意思によるものであり、原則として、そこに使用者の支配権が及ぶことはありません。

 

●公務員のように兼業が法律で禁止されている場合は別ですが、民間企業においては尚更です。

 

●とはいえ、就業時間外のアルバイトなどの影響で、翌日の勤務に遅刻したり、集中力を欠いてミスを連発したり、あるいは過労がたたって勤務中に倒れてしまったりといったことがあると、病医院の診療体制に支障をきたしてしまいます。

 

●そこで、就業規則に記載された兼業・副業禁止規定に合理性が認められれば、その規定に基づく解雇は有効とされています。過去の判例において、解雇が有効とされたもの、無効とされたものの一例を掲載します。

 

<解雇有効>
・建設会社の女性社員がキャバレーの会計係として深夜まで勤務していた例
・運送・荷役作業を業務とする会社の従業員が、公休日の前後を利用して月に4、5回の割合でタクシー運転手として勤務していた例

<解雇無効>
・タクシー運転手が就業時間前に、毎朝約2時間、新聞配達をしていた例
・病気欠勤中に、競業会社の仕事を手伝った例 →当該従業員が機密事項を扱う立場になかったとして無効

 

●兼業行為を発見した場合、躊躇することなく懲戒解雇と考えたくなりますが、まずは兼業していた仕事の内容や頻度、それによる当院勤務への影響や対外的な信用への影響などを十分に考慮したうえで判断することが大切であると言えます。



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