変動損益計算書を使った人件費管理
本日の質問
現在、人手不足の状況にあり 人件費(初任給設定、紹介会社手数料等)は上昇傾向にあります。
変動損益計算を使って人件費管理をするポイントを教えてください。
本日の回答/税理士 吉田正一
● 人件費を見るコツは他院との比較 と 自院の過去との比較 です
他院比較により他院との人件費の違いに気づき、自院の過去数値より人件費の異常値に気づくこと
● 変動損益計算書は 利益と売上や費用のバランスを見るツールとして有効です
変動損益計算書とは 医業費用を
医業収益と比例的に発生する変動費(材料費、医薬品費、一部の委託費、残業代)
医業収益と比例的に発生しない固定費(人件費、家賃、リースなど 変動費以外の費用)
に分けて 損益計算書を作成したもの
● 変動損益計算書の主な項目
医業収益-変動費=粗利益
粗利益率=粗利益÷医業収益
粗利益-固定費=医業利益
損益分岐点売上=固定費÷粗利益率
目標医業収益=(固定費+必要医業利益)÷粗利益率
目標患者数=目標医業収益÷患者単価実績
目標患者単価=目標医業収益÷患者数実績
● 利益と人件費のバランスを見るには固定費を人件費と他経費に分けるのが有効です。
人件費を分けることにより、労働分配率=人件費÷粗利益 を求めることができます。
● 職員数、パート社員比率の変化と変動損益計算を一緒に見るとさらに経営改善の気づきに有効です。
1人あたり粗利益=1人あたり医業収益-1人あたり変動費
1人あたり固定費=1人あたり人件費+1人あたり他経費
1人あたり医業利益=1人あたり粗利益-1人あたり固定費
1人あたり医業収益成長率=当年1人あたり医業収益÷前年1人あたり医業収益
1人あたり人件費成長率=当年1人あたり人件費÷前年1人あたり人件費
1人あたり医業利益=当年1人あたり医業利益÷前年1人あたり医業利益
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