赤字決算時に評価を下げない
2015年01月29日(木)11:14 AM
本日の質問
当期、設備投資等により 赤字決算となる予定です。金融機関の評価が下がるのが不安ですが、赤字決算時に金融機関の評価を下げない方法はありますか
減価償却費で調整して黒字決算にした方がいいでしょうか。
本日の回答/税理士 吉田正一
● 単年度の赤字決算は問題ありません
日頃からメインバンクとコミュニケーションを取り試算表等を提出していれば単年度の赤字決算は問題ありませんが気になるようでしたら
・臨時的な費用を特別損失区分(損益計算書の下方)に計上する
・繰延資産を経由して一括費用を避け規則的に減価償却するなど
営業利益、経常利益を黒字にする工夫は検討余地があります。
上記に加えて
・役員借入金がありましたらこの際に債務免除することで最終利益も黒字にすることも検討余地があります。
● そのほか次の資料を赤字決算書に添付して、金融機関に提出することにより評価を下げないケースもあります。
・キャッシュフロー計算書
・中小会計要領チェックリスト(顧問税理士等の署名付き)
・事業概況書、法人税別表
・税理士法33条の2の添付書面
・経営改善書、来期予算
※経営改善書、来期予算の作成に際して
楽観的な計算をせず、他人まかせにせず
自立的な固定費削減策(条件変更や交渉によらない)によることが重要です。
● 減価償却を調整しての黒字決算化は 規則的な減価償却をしていない(=粉飾決算)という意味で 金融機関の評価を下げます。
減価償却のほか 実体のない在庫、売掛金、仮払金、貸付金など資産を計上することによる粉飾決算はやってはいけません 。(見る人が見ればすぐわかります)
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