届出をしない就業規則の効力

届出をしない就業規則の効力

2015年02月17日(火)1:59 PM

本日の質問

先日、就業規則を作成し、その内容を職員に説明し周知した。しかし、法的に適正かどうか不安があり、労働基準監督署には届けたくないのだが、それでも就業規則は効力があるのか。

本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹

届出義務については、就業規則の効力要件ではないと考えられており、職員へ適切に周知されていれば、その時点がから効力が生じるとされます。

本日のポイント

●常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません(労働基準法第89条)。

 

●また、作成に際しては、労働者代表の意見を聴取し、労働者に周知しなければならないとされています。

 

●それでは、本日の問題のように、作成した就業規則を労働基準監督署に届け出なかった場合、その就業規則に効力は発生するものでしょうか。

 

●判例等によると、就業規則の届出義務は、監督官庁の監督を容易にさせるための取締規則であって、効力要件ではなく、企業が届出を怠った場合には罰則が適用されるにすぎないとされています(労働基準法第120条)。

 

●一方で、周知義務については、議論が分かれるところではありますが、何らかの方法で労働者に就業規則の内容を周知させなければ、効力が生じないとされています。

 

●本日の問題では、職員説明は行っているようですので、効力は生じているものと考えられます。但し、もちろん内容に法違反部分があれば、その部分は無効になりますので、ご留意ください。



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