クリニックにおける預金管理のコツ
本日の質問
預金通帳を効率的に管理運用するポイントを教えてください。
本日の回答/税理士 吉田正一
預金通帳から分院別(施設別)の収支状況を見たいなら分院別の預金通帳作成が有効
方法は
1)その分院に係る収入(窓口金、保険請求収入等)を、その預金通帳に
預け入れ、支払(仕入、委託費、家賃、リース料等)を引き落とす
2)本部経費は 本部用預金通帳から引き落とす
3) 本部経費の各施設負担分を 各施設の預金通帳から、本部の預金通帳に
振り替える
管理の手間を廃止したなら小切手の廃止が有効
・小切手のメリットは 購買先との条件交渉に使える
・小切手のデメリットは
1)決済確認の手間(=コスト)がかかる
2)事前押印されている小切手は 悪用されるリスクがある
専任の経理担当者が少ないならネットバンクの利用が有効
・ネットバンクのメリットは
1)店舗への移動時間、待ち時間、記帳時間(=コスト)が不要になる
2)通帳取引履歴がエクセル等に落とし込めるため、保険請求債権や
仕入支払の消し込み表(エイジング管理)が容易
3)経理以外の担当者でも インターネットから 入出金確認や振込み
が出来る
4)経理には見せたくない 院長管理口座を作れる
5)取引先や取引履歴登録により 総合振込、給与振込の依頼書作成が
容易
6)電子納税により、納税手続きが容易
自由診療収入が大きく、消費税の損税発生を防止したいなら自由診療用預金通帳の利用が有効
・自由診療用預金通帳より 自由診療専門の設備投資、医薬品、消耗品、
リース料などの引落を行う
分院が多すぎて、全体の収支状況が見えにくいなら本部集中管理方式が有効
・分院別預金通帳の 保険請求入金後、経費支払後の残高を本部の
預金通帳へ振り替え、分院の通帳残高をゼロにする
・本部の預金通帳では 各分院の収支が見れ、かつ 資金運用が可能