経歴詐称に対する解雇

経歴詐称に対する解雇

2015年01月29日(木)12:30 PM

本日の質問

医療事務の資格を持ち、前職で医療事務の経験があるという事務スタッフを採用した。保有資格と職歴が採用決定の決め手だったが、いざ採用してみると、どちらも虚偽で技量は初心者レベルであることが判明した。経歴詐称を理由に解雇したいと思うが、問題ないか。

 

本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹

保有資格と職歴が採用の前提条件として認められ、実際に戦力となる技量を持ち合わせていなのであれば、正当な解雇と認められる可能性が高いでしょう。

本日のポイント

●診療所における採用はそのほとんどが中途採用で、本人の保有資格や職歴などの経歴を評価して、即戦力を期待しています。このため、それら経歴が事実ではなかった場合、通常は解雇を検討することになるでしょう。

 

●経歴詐称に対する解雇の有効性について、判例では、全てを有効としているわけではありませんが、その経歴が当該職員の採否にかかわる重要事項であった場合は、有効と認める傾向にあります。

 

●経歴詐称に対する解雇が有効と認められた判例には以下のものがあります。

・技術部長として採用した者が、過去に能力不足を理由に数社で解雇された職歴を隠していたことを理由に解雇したケース

・担当業務の経験者であるとの虚偽の申告をしていたことを理由に解雇したケース

・3つの外資系証券会社を渡り歩いていたのに「フリーランス」とのみ答えたこと、解雇の事実を明らかにしなかったこと等を理由に解雇したケース

●職歴詐称の他に犯罪歴を詐称するケースもあり、有効・無効双方の判例があります。

 

<解雇有効>
・名誉棄損で服役した事実を隠し、その間アメリカで経営コンサルタント業従事していたと虚偽の申告をしたことを理由に解雇したケース

 

<解雇無効>
・暴行による前科があっても、軽微な事案であったとして懲戒解雇を無効としたケース

 

 



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