就業規則の作成義務

就業規則の作成義務

2015年02月16日(月)3:22 PM

本日の質問

当院では正職員の数は3名だが、最近パート職員を増やして現在7名が常時勤務している。知人から職員数が10名以上になると就業規則の作成義務が生じる聞いた。今まで就業規則を作ったことはないが、作成義務が生じる10名にはパート職員の数も含めなければならないのか。

 

 

本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹

 

就業規則の作成義務が生じるのは、職員数が常時10人以上の事業場であり、その中には常時勤務しているパート・アルバイト職員の数も含みますので、貴院の場合は就業規則を作成しなければなりません。

 

本日のポイント

 

●常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません(労働基準法第89条)。この場合の常時10人とは、常態として使用している労働者であり、短期的・臨時的に雇用する者でなければ、パートやアルバイト職員であっても含まれます。

 

●出向者は、出向元・出向先のいずれとも雇用関係をもっていますので、出向先・出向元の両方で、労働者数に含まれます。

 

●派遣労働者については、雇用関係はあくまでも派遣元とあるだけで、派遣先とはありませんから、労働者数には含まれません。

 

●作成する就業規則の適用を受ける範囲ですが、通常は正職員向けに作ることになります。雇用期間の有無や、就業時間・休日・休暇の形態、賃金の体系などで正職員とパート・アルバイト職員とでは異なる事項が多いため、一つの就業規則ですべての雇用形態の職員に適用させるにはムリがあるからです。

 

●このため、パート・アルバイト職員の労働条件については、個別の雇用契約書で定めることになりますが、雇用契約書だけでは紙面の都合上、詳細に定めることは難しいでしょう。

 

●パート・アルバイト職員の人数が多くて統一的な労務管理の必要性が高いとか、パート・アルバイト職員にも自院の制度やルールをある程度適用させたいといった場合には、正職員用の就業規則とは別に、パート・アルバイト職員用の規則を作成することをご検討下さい。



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