開業医のためのタイプ別保険商品の基本
本日の質問
テレビなどで保険会社のCMを良く見ますが、商品がたくさんあるので、複雑で分かりにくいと感じています。
保険商品の基本を教えてください。
本日の回答/生命保険協会認定FP 友部 守
「生命保険はいろんな種類があってよくわからない!」と、思われがちですが、本当はそんなに難しいものではありません。
生命保険の基本は3つのかたちです。
1、定期保険
2、終身保険
3、養老保険
この3つのかたちにそれぞれに特約がついているので、生命保険は各商品ごとに特徴あるものになっているのです。
ですから、まずはこの基本のかたちを覚えてください。そうすれば、生命保険がぐっとわかりやすくなります!
1、定期保険
・保険の期間(5年、10年、60歳、65歳など、保険期間といいます)が、あらかじめ定められた死亡保障の保険です。
・その期間内に、病気や災害で亡くなったり、高度障害状態になると、死亡保険金・高度障害保険金を受け取ることができます。
・その期間が過ぎると、保険が終了した事になり(保険が終了する事を満期といいます)、期間が終わる(満期)と保障はなく なります。満期になっても満期保険金はありません。
2、終身保険
・一生涯の保障を準備できる。 ⇒いつか必ず、保険金が受け取れる。
・定期保険と違い積立部分があるため、必要な時には貸付を受ける事ができる。 ⇒解約返戻金がある。
・保険料が変わらない。⇒経費の見通しがつく。
3、養老保険
・死亡保障と貯蓄の両方を兼ね備えた保険です。
・一定の死亡保障を確保しながら、資産形成ができます。
本日のポイント
◆定期保険には「歳満了」と「年満了」があります。
30歳の方が「20年間」で契約しても、「50歳まで」で契約しても、同じ20年間なので保険料は同額となります。
しかし、この2つの契約方法には大きな違いがあります。
50歳までの「歳満了」で契約している定期保険では50歳を迎えた時点で保障期間が満了となり契約は消滅してしまいます。
これに対して、20年間というような「年満了」で契約していれば、20年経過時には自動更新されます。
もし、47歳で余命宣告されるような事になったとしても、50歳満了の定期保険に加入していては更新が出来ません。
このような事態にも対応できるように定期保険に加入する際には、更新が可能な「年満了」で契約しておくことが賢明です。
◆終身保険の特性として大きく分けて、死んだらいくらという保障機能、長期間かけて行う資産形成の機能があります。
日本は超高齢化社会に突入しました。これは何を意味するかというと、老後の生活資金の重要な財源であった公的年金が頼りにならなくなり、自助努力がますます必要となります。
また、個人に対する課税が厳しくなってきました。これまでは相続税を支払ったことがなかった人も、支払う必要が出てくる
ケースが多くなることは確実です。
所得税、消費税も上がり、支出が増えていく中で、資産形成はライフプランにおいて非常に重要です。
資産形成と保障の両方の機能をもった「終身保険」を活用して、豊かな人生にしていきましょう。
◆養老保険と通常の貯蓄商品を比べた場合、一番のメリット(利点)は「死亡時などの保障(死亡保険金等)」です。
定期預金や個人向け国債などの貯蓄商品では、貯蓄の途中で死亡した場合は、その時点での運用額しか残りません。
これに対して養老保険では、保険料の払込み途中で死亡した場合でも、満期保険金と同額の保険金を受け取ることができ、保険のメリットをしっかりと享受できます。
お子さんの教育資金や老後の生活資金を貯めることができる「養老保険」を活用して、豊かな人生にしていきましょう。