復職可否の判断

復職可否の判断

2015年01月29日(木)10:43 AM

本日の質問

私傷病で休職していた職員が、「労務可能」と記載された医師の診断書を提出し、復職を求めてきた。当院の判断としては、まだ元の職務に復帰できる状態にないと考えており、復職を認めたくないが問題ないか。

 

本日の回答/社会保険労務士 長友秀樹

就業規則の内容にもよりますが、復職可否を判断するのは病医院ですので、復職を認めないとすることも可能です。

 

本日のポイント

●休職者からの申し出を受けて復職可否を判断する場合、まずは就業規則の記載内容を確認することが必要です。

 

●就業規則においては、復職の要件として、「医師の診断書の提出」とともに、「医院が復職を認めたとき」と規定されていることが多いと思います。そうであれば、「労務可能」の診断書が提出されたとしても、最終決定をするのは病医院であることが明らかですので、復職を認めないとすることも可能と言えます。

 

●今回のように、主治医と事業主である病医院との間で「労務可能」に対する判断が割れるケースがしばしばあります。

 

●これは、主治医の診断書は「病状が回復し、最低限の日常生活は問題なく過ごせること」に重きが置かれる傾向にあるのに対し、病医院が考える労務可能とは「元の職場で仕事ができる、就労する能力がある状態に治癒していること」であるからです。また、主治医は患者たる職員の意向を反映する傾向にあるのも一因です。

 

●但し、決定者が病医院であるからといっても、医師の診断書の提出に反して復職を認めないとするには、相応の合理的根拠が必要です。

 

●合理的根拠を提示するためには、以下の対応をとることが重要です。
(1)病医院指定の医師の診断を受けさせる。
(2)詳細な状況をやり取りするため、主治医に面会する。



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